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12・1月のメッセージ

月報 第646号

「寡黙の人ヨセフとクリスマス」

山本量太郎 (カトリック成城教会主任司祭)

カトリックだけでなくキリスト教系の幼稚園なら必ずクリスマスの前に聖劇をするでしょう。ご存じ幼子イエス誕生の物語です。園児たちみんなに役を振り分ける先生たちの苦労は並大抵のものではありません。なにしろ、全員を出演させるためには、羊を何十匹も動員しなければならない場合もありそうですから。本当はイエスが主役なのでしょうが、まだ赤ちゃんなので、実際にはマリアが主役になり、そうすると、ヨセフも準主役ということになり、ヨセフのセリフが結構あったりします。 

でも、2千年前のその夜、ヨセフが無言だったとは言いませんが、少なくとも聖書には、聖劇に出てくるようなヨセフの言葉は一言も記されていません。それどころか、福音書全体を調べてみても、ヨセフの言葉は一つも載っていないのです。 

ヨセフは福音書に何回も登場し、重要な役割を果たしているのに、そこには彼の言った言葉が一つも残されていません。いずれの場面でも、沈黙を守っています。まさに「寡黙の人ヨセフ」です。彼は思いもよらぬことに次々と巻き込まれていきますが、それを神からの働きかけとして受けとめていくのです。身籠もった婚約者おとめマリアを受けとめ、その結果としてまさに多難な人生を生き抜くことになります。彼は単に寡黙の人であっただけでなく、むしろ決断の人であり、それ以上に実行の人でありました。 

成城教会の聖堂の入り口の片隅にプレセピオ(うまごや)が今設置されています。そこにはもちろん、飼い葉桶に眠る幼子イエスと母マリアの傍らにヨセフがいます。マタイの福音書によれば、ヨセフは間もなく、妻と幼子とを連れて、エジプトまでの辛い旅に出かけなければなりませんでした。受けとめ、決断し、実行していくヨセフの寡黙な姿がそこにあるのです。幼子イエスの誕生を受けとめたヨセフは、ナザレに居を定めた後、聖家族の一員として、黙々とその生涯を全うしたにちがいありません。 

クリスマスにあたり、なくてはならない役割を果たした「寡黙の人ヨセフ」にも思いを向けたいものです。 


月報12・1月号
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