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受難の主日(枝の主日)ミサ・説教「何の枝?」

2020年04月04日

今日から「聖週間」が始まりますが、その初日の日曜日は、「受難の主日」と「枝の主日」という二つの名前をもっています。しかし、実際のミサでは、「枝の主日」は最初の部分だけで、あとは全部「受難の主日」ですから、説教で「枝の主日」に触れる機会は案外ありません。そこで、今日はあえて「枝の主日」のほうに触れてみることにします。

イエスさまがエルサレムに入られたとき、実際に用いられた「枝」は、何という木の枝だったのでしょうか。今日のミサの「主のエルサレム入城の記念」で読まれるマタイ福音書(21・1-11)には、ただ「木の枝」とあるだけですし、マルコ福音書(11・1-10)も「葉のついた枝」と記すだけで、木の種類は記されていません。ルカ福音書(19・28-40)に至っては、「枝」に関する記述がないのです。ヨハネ福音書だけは、「ナツメヤシの枝」と明記していますが、学者たちは、当時のエルサレムにナツメヤシは生えていなかったと言っています。結局、福音書から木の種類は特定できません。

一方、教会では「シュロ」と考える伝統がいつしか生まれ、「カトリック聖歌集」196番では、「シュロの葉を手に持って」と歌い継がれてきていますが、実際の日本の教会の枝の行列では、「ソテツ」を用いることが多いと思います。

しかし、当時のエルサレムの地方一帯では、ごく一般的にオリーブが栽培されていたこと、また、福音書のこの部分の記述が「オリーブ山沿いのベトファゲに来たとき」という表現で始まっていることなどを考えると、オリーブの木の枝であった可能性がいちばん高いのではないでしょうか。それで、「典礼聖歌」315番では、「オリーブの枝を手に持って」という歌詞になっています。

しかし、木の種類は大きな問題ではありません。事実、ミサのルールでは、用いる枝は常緑樹であれば何でもよいことになっています。大切なのは、その枝がイエスさまを歓迎するしるしであることです。エルサレムの群衆は枝を振ってイエスさまをお迎えしました。ミサの中で、司祭は、枝を持つ会衆を祝福します。祝福した枝をあとで配るのではなく、イエスさまを歓迎する心をもって枝をかざす会衆を祝福するというところが大切なのです。

といっても、枝の主日のミサに来たくても来られない人が必ずいます。そういう人たちに祝福した枝を届けるという習慣も、教会は大切にしてきました。そして、今年は、ミサに一人も集まることができない枝の主日となってしまいました。こんなことは、皆さんにとっても、私にとっても初めてですが、昨年と同じ数だけ枝を祝福して、ミサに来たくても来られない皆さんのために聖堂に置いておきますので、今度、教会にいらした時、お持ち帰りください。

今日のミサでは、例外的に福音朗読が二つあります。一つは、これまで述べてきた枝の主日の「入城の福音」です。もう一つは受難の主日の「受難の朗読」(マタイ27・11-54)です。こちらのほうは少々長いですが、ぜひ味わいながら読んでください。今日から、イエス・キリストの最後の一週間を、文字通り一週間かけて祝う「聖週間」が始まります。

☆山本量太郎

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