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四旬節黙想会
― マザー・テレサに導かれるいのちのまなざし ―

2018年02月24日

2018年02月24日
講話・司式 : 星野 正道神父(白百合女子大学)

2月24日(土)、白百合女子大学の星野正道神父を招き、四旬節の黙想会が開催されました。14時から第1講話、16時から第2講話が行われ、前半約120名、後半約100名が参加しました。その後、星野神父司式のミサで、黙想会は締めくくられました。

第1講話

四旬節の良い準備を始めることができますようにと、講話は主の祈りを唱えることから始まりました。

初めに星野神父は、マザー・テレサの一番有名な言葉「失敗作などありません。一人ひとりが神様の最高傑作です」をあげました。これは、神は完全なものを造られ、創世記で造られたもの全てが最高傑作であるということを示しているのだそうです。

次に、昨年上智大学で映像回線によって行われた、教皇フランシスコと若者の対話を紹介しました。「今こんにち日の若者に対する心配と希望は何ですか」という質問に教皇は「若者が文化や歴史、家族、人類のルーツや記憶を忘れると根のない成長できない人間となってしまいます」と答えました。

「では人間の根っこはどこなのか。それを考える上で、創世記をみていきます」と星野神父は続けました。

初めに神は天地を創造されました。混沌(こんとん)の中に光がさしました。光とは神自身です。神はご自分の心を混沌の中に届けようとしました。混沌を見捨てずに働きかけたというのが、創世記の一番初めのメッセージです。

創造物の根源は土にあります。人間は地を耕すものとして造られましたが、耕すとは仕えるということです。地に仕えるものとして命に仕え、耕し守るのが人間の使命です。土のちりによって造られたということは命の根源に帰っていくということで、これは灰の水曜日に通じていくことです。

土のちりから造られたアダムが、神から相手を造ってもらい、男と女として成立し、私とあなたという関係に入った時にまことの人ができ上がります。まことの人というのは助け手がいる存在、あなたと呼べる人がいる存在。これが家族の原型です。神との関係を映し出す、あなたと私という関係、語りかけ答えていくことが可能な関係、連帯していくことのできる関係、相互に依存することのできる関係、これが家族・家庭・人類社会の本来的な姿、神が望んだ復活した人類の姿です。

最後に星野神父は「マザー・テレサの言葉を輝かせていくためには、創世記にあったように、助け手が必要です。人間は1人では最高傑作にはなれません。本当に充実しているか、本当に人間として生まれてきて嬉しかったか、もう一度人間として生まれてきたいと思えるか、そう思えるようになって欲しいです」と願いを込め、講話を結びました。

第2講話

星野神父による四旬節黙想会第2講話も主の祈りで始まりました。

まず、マザー・テレサの「できないことはありません。できることがちがうだけです」という言葉を引用し、ある若い神父のエピソードを話しました。 その神父は、海外の貧しい地域で奉仕するため長く日本を離れることになり、出発前に重い病気で入院中の友人を訪ねました。その友人は「あなたは健康の方で頑張ってください。私は病気の方で頑張る。私は病気である自分を見捨てない。そして、あなたが活躍されるようここでお祈りする」と言われ、病気である友人を励ますつもりだった神父は、逆に自分が励まされたことに気づかされたそうです。

また、マザー・テレサの次のような体験も紹介しました。ある豊かではない地域の、重い障害を持った子の家族を訪問したときのことです。マザー・テレサは、その家族には他にも大勢の子どもがいることから、障害のある子を施設に引き取ろうと申し出たのだそうです。すると、両親は、この子がいるからこそ幸せを感じることができ、この子は愛を教えている、だから連れていかないでと強く訴えたのだそうです。

この2つのエピソードから、星野神父は、病気で寝たきりでも重い障害があっても、愛の光を輝かせることはできる、健康かそうでないかは条件に過ぎず、そこから導かれる答えは1 つではないと強調しました。

次に、第1講話でも触れられた日本の若者と教皇フランシスコとの対話から、日本の印象を聞かれた教皇の答えを披露しました。教皇は「日本は、高い理想や深い宗教性、精神性を持っている。しかし大変苦しんだ民族だと感じる」と語りました。ここで、「大変苦しんだ」という表現に星野神父は注目しました。苦しんだのは、先の敗戦や原爆のことではなく、日本の過度な競争社会、消費主義、実力主義が、本来日本が持っている大きな力と理想を失っていると、教皇の考えを伝えました。

さらに、創世記にあるアダムとエバ、カインとアベルのそれぞれの関係性が、対等なものから支配被支配の関係性へと変わっていったことを取り上げ、それは神様が望まれたことではないと説明しました。また、ルカ12・16-21を朗読し、私たちは、この四旬節にあたり、自分の役割、他者との関係性を見直し、神様のみ心であるお互いに助け合う存在に返るよう促しました。

イエスの死と復活は、人間の復活であるという結びの言葉の後、アヴェ・マリアの祈りのうちに黙想会は終わりました。引き続きミサにあずかりました。

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