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主の昇天・小考

2019年06月01日

山本 量太郎 (カトリック成城教会 主任司祭)

今年は復活祭が4月21日と遅かったので、主の昇天祭を6月2日に祝うことになりました。ちょうど、月報「成城」6月号の出る日にあたりますので、「主の昇天」について思いめぐらしていることを記してみます。 

主の昇天を伝える使徒言行録の冒頭(1章)には、「イエスは天に上げられ、彼らの目から見えなくなった。イエスが離れ去って行かれるとき、弟子たちは天を見つめていた」とありますが、一方、マタイ、マルコ、ルカの共観福音書が伝える主の昇天の場面には、別れのつらさ、不在のさびしさはみじんもありません。今年の昇天祭に読まれたルカ福音書(24章)は、弟子たちが大喜びだったとさえ記しています。 

マルコ福音書(16章)は、天に上げられ、神の右の座に着かれた主キリストが、同時に、至るところで宣教に励む弟子たちと共に働かれた、と告げています。世界中どこに行っても主は共にいてくださるのですから、弟子たちはもうエルサレムにいつまでもとどまっている必要はなくなりました。 

それで、復活ろうそくを昇天祭のミサの福音朗読後に消して、キリストの昇天をいわば空間的に表現するという慣行は50年ほど前、第2バチカン公会議後の典礼刷新にともなって廃止され、復活ろうそくは復活節最終日である聖霊降臨祭まで灯し続けられるようになったのです。 

マタイ福音書の昇天の場面(28章)は、「わたしは世の終わりまで、いつもあなたがたと共にいる」というキリストのお言葉で締めくくられます。天に上げられたキリストは時間も超越したお方なのです。そもそも、主の昇天を復活の40日後の出来事として記しているのは、使徒言行録だけです。使徒言行録と同じ著者によると言われるルカ福音書でさえ、昇天は復活と同じ日に起こったように記しています。ですから、現行の典礼暦では、主の昇天の祭日を復活後40日目の木曜日に限定していません。その3日後の復活節第7主日に移して祝うことが許され、現に日本の教会でも主の昇天を日曜日に祝っているのです。 

昇天祭は、キリストの復活が何よりも「時空を超えた神秘」であることを明らかにします。そして、「主の昇天にわたしたちの未来の姿が示されています」と祈り、わたしたちは、人類がそのすばらしい神秘に招かれているという確信を新たにすることができるのです。 

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