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タデオの相棒は熱心党のシモンだったのでしょうか
2026年09月26日
山本量太郎 (カトリック成城教会主任司祭)
成城教会の保護の聖人、聖タデオの祝日は10月28日ですが、その祝日の正確な名称は、聖シモン 聖ユダ使徒の祝日となっています。
シモンとユダ、どちらがタデオでしょうか。ユダのほうです。なぜなら、タデオは実はユダの別名だからです。ユダというと、もう一人のユダ、すなわち裏切り者のイスカリオテのユダのことを思い出してしまうので、タデオという別名のほうで呼ばれるようになったと考えられています。実際の福音書は、マタイとマルコではタダイ(タデオのギリシア語読み)、ルカではヤコブの子ユダと本名のほうで記されています。
タデオについては、これまでもいろいろと説明してきましたので、ここでは、シモン、すなわち熱心党のシモンについて少し説明したいと思います。
熱心な人シモン
十二使徒には有名なシモン・ペトロ(使徒の頭ペトロ)がいたため、ユダ(タデオ)とともに10月28日に祝うシモンのことは、熱心党のシモンと表記して区別しています。彼について知られているのは、実はその名前だけです!
そして、その名前を掲載した最も古い文書であるマルコ福音書には、直訳すれば「熱心な人シモン」となっています。ですから、シモンが「熱心党」の一員だったとは断言できず、「律法を熱心に守る人」だったという可能性も捨てきれません。一方、ルカ福音書と使徒言行録はこの語を「熱心党員」という語に置き換えています。このことに基づいて、「熱心党のシモン」という訳語が採用されているわけです。なお、熱心党とは、ユダヤ民族独立のために戦う愛国者たちの集まりでした。
二人ずつ組にして遣わされた
それではなぜ熱心党のシモンとヤコブの子ユダ(タデオ)が同じ日に祝われることになったのでしょうか。新約聖書には、十二使徒の一覧が4箇所に掲載されていますが、そのいずれにも、タデオと熱心党のシモンは続けて記載されています。そうしたことから、後世、いくつかの伝承が形成されていったと思われます。
その中の一つに、熱心党のシモンはエジプトで宣教した後、タデオと共にペルシアに行き、そこで殉教したという伝承があります。これが同じ日に祝うようになった起源ということはできますが、歴史的にどうであったかは確定できません。マタイ福音書の十二使徒のリストは、二人ずつ組になっているかのように記されていますが、それは覚えやすくするための工夫だったと思われます。そのマタイでは、タデオはアルファイの子ヤコブと組になっています。
そもそもイエスは、弟子たちを二人ずつ組にして宣教に遣わされました(マルコ6・7)。現代の教会も、その原点にたち戻って互いに助け合い、補い合って宣教の働きに励むことができますように祈りたいと思います。
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