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どうして四旬節中は聖人のお祝い日が少ないのでしょうか

2026年02月21日

山本量太郎 (カトリック成城教会主任司祭)

子どものころ、3月7日がわたしの霊名のお祝い日でした。霊名はトマス・アクィナスで、もちろん変わっていません。お祝い日のほうがある年、突然、1月28日に変わったのです。今にして思えば、それは第2バチカン公会議が終わって何年かたったころのことだったのでしょう。教会の中のいろいろなことが次から次へと、がらがらと変わっていきました。

ラテン語のミサが日本語になり、司祭がこちらを向いてミサを司式するようになり、平服のシスターが増え、等々。そういった中で、幾人かの聖人のお祝い日の変更など、むしろ地味な部類だったのでしょうが、該当者にとっては、びっくりすることでした。

突然変わった霊名の祝日

けれども、わたしに限って言えば、あまり驚きませんでした。それは物心付いて以来、霊名のお祝い自体ほとんどしてもらった記憶がなかったからかもしれません。

3月7日は毎年、四旬節中でしたが、聖トマス・アクィナスの祝日がやってくると、「でも、四旬節中だからね」 ということになり、結局、お祝いらしいお祝いはありませんでした。要するに、聖人の祝日よりも四旬節のほうが大切だということをたたきこまれていたのです。

子ども心に四旬節はとても長く感じられました。クリスマス前の待降節のほうが少し短かったし、途中でサンタクロースに手紙を書いたりする楽しみもありました。でも何よりクリスマスプレゼントが待ち遠しかったのです。

何しろ我が家では「四旬節はおやつなし」などというルールが実行された年もあったくらいですから、子どもにとっては、四旬節には待降節のような喜びが正直言って伴っていませんでした。そんなわたしにとって、聖トマス・アクィナスの祝日が四旬節の外に移されたことは、四旬節を見直す一つのきっかけとなりました。

キリストを直接大切にする

今年の3月に祝うのは、日本の信徒発見の聖母の祝日(17日)、聖ヨセフの祭日(19日)、そして神のお告げの祭日(25日)の三つの祝祭日だけです。

そもそも、四旬節には聖人たちの記念日というものがないため、四旬節中の教会の暦には空白が目立つのですが、その空白を寂しいという気持ちではなく、精いっぱいイエス・キリストを直接大切にしようという招きとして受け取れればと思っています。

[付記]

聖トマス・アクィナスの祝日は、ただ四旬節の外に追いやられたのではありません。調べてみますと、1274年3月7日、旅行中に帰天して以来、ずっとその旅先の地に仮に埋葬されていた聖人の遺体が、1369年1月28日、トゥールーズのお墓に正式に移されたことに基づいています。

 

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