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クリスマスを待ちながら聖ニコラスと聖ルチアを思う 

2025年12月13日

山本量太郎 (カトリック成城教会主任司祭)

クリスマスを待つ待降節になくてはならない二人の聖人、12月6日に祝う聖ニコラオと、13日に祝う聖ルチアについて少し触れてみます。主の降誕を待つ心を新たにする一助となれば幸いです。

聖ニコラオとサンタクロース

だれでも知っているサンタクロースは、4世紀頃の小アジア(今のトルコ)の司教聖ニコラオのオランダ語の発音(シンタクラース)に由来すると言われています。この聖ニコラオの記念日(12月6日)は今の典礼暦では、ミサで祝うかどうかは任意となっているため、祝わないほうが多いのですが、私はぜひ祝いたいと思っています。聖ニコラオが、今過ごしている待降節と、そして更にはクリスマスとも特別なつながりがあるからです。
12世紀ころから、ヨーロッパ、特にドイツ語文化圏を中心として、聖ニコラオの祝日は子どものための祝日となっていきました。聖ニコラオは、貧しさに耐え切れず、三人の娘に身売りをさせなければならないことを嘆く家族を見て、真夜中にこっそりとその家を訪れ、窓から金貨を投げ入れて一家の困窮を救ったそうです。そのような話がもとになって、聖人の祝日の前夜、子どもたちにそっとプレゼントをする習慣が広まっていったのです。
宗教改革が起こった16世紀以降、聖ニコラオの日のプレゼントをクリスマスに結びつけ、サンタクロースからクリスマスプレゼントをもらうように変化していきました。プロテスタントの諸教会には聖人の祝日を重要視しない傾向がありましたし、また、カトリックの教会にとっても、子供たちへのプレゼントは、待降節中よりもクリスマスのほうがふさわしいと考えられたからでしょう。

聖ルチアとクリスマスの前祝い

12月13日に祝う聖ルチアは、12月6日の聖ニコラオ(サンタクロース)とともに、待降節になくてはならない聖人となっています。
ルチアは、サンタ・ルチアというイタリアのナポリ民謡で知られているように、古代ローマの女性の殉教者ですが、現在では北ヨーロッパの、しかもプロテスタントの多い諸国でも崇敬されている数少ない聖人の一人となっています。それは、ルチアの祝日が12月13日であることと深い関係があります。
128年で一日のずれが生じるユリウス暦は、16世紀には既に10日ほどのずれが生じていたので、このルチアの祝日のころには冬至が来ていました。それでルチア祭は冬至の祭となり、また真の光であるキリストの誕生を祝うクリスマスの前祝いともなっていました。ルチアは元のラテン語で「光」という意味ですから、特に冬に光の少ない北ヨーロッパの人たちは、このルチア祭を光の祭典として盛大に祝うようになり、現代に至っています。

 

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