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なぜ11月が死者の月になったのでしょうか
2025年11月01日
山本量太郎 (カトリック成城教会主任司祭)
私がかつて10年ほど働いた小金井教会は、カトリックの桜町病院の構内にありました。その桜町病院で1年の間に亡くなられた方々のご遺族をお招きして、毎年11月3日に行われた合同追悼ミサは、懐かしい思い出の一つです。桜町病院にはホスピスが併設されていたこともあり、聖堂は毎年、満席でしたが、出席者の多くはカトリックのミサに出るのが初めての方々でしたので、追悼ミサがなぜ11月3日の文化の日に行われるのか分からないのではないかと思って、いつも次のような説明でミサを始めたものです。
教会暦の最後の月
カトリック教会では11月が死者の月、亡くなった方のために祈る月となっています。なぜ11月になったのでしょうか。カトリック教会の一年は、イエス・キリストと共に歩む一年にふさわしく、その誕生を祝うクリスマスがある12月から始まっているからです。つまり、11月は1年の最後の月ということになり、おのずと種々の「最後」に思いを巡らすようになりました。ですから、11月は根本的には宇宙万物の終わり、「終末」に思いを馳せる月なのですが、一人ひとりにとって最も身近で切実な最後は、いうまでもなく「死」ですので、11月が死を思う月、死者のために祈る月、死者の月となりました。
実は、その死者の月の起源を調べていきますと、意外なことに、その手がかりがなかなか見つかりません。カトリック用語を網羅していると思われる「新カトリック大辞典」には、そもそも「死者の月」という項目がないのです。カトリック中央協議会のホームページにも、「11月が死者の月として定着してきたのがいつからなのか、定かではない」と記されています。要するに、11月2日が「死者の日」だから、11月全体が死者の月になったのであろうとしか言えないのです。
死者の日の起こりは、はっきりしています。11月1日の諸聖人の祭日がまずあり、その翌日が死者の日と定められ、11世紀には既に全教会に広まっていました。もっとも、諸聖人の祭日が11月1日になったことについては諸説ありますが、近年、日本のあちこちでお騒がせのハロウィンが10月31日になっているのは、キリスト教と直接の関係はありません。
秋の深まりと冬の到来
本題に戻しますと、実のところ、毎日のミサの聖書朗読が「最後」を強く意識させるようになるのは、11月も後半に入ってからです。しかし、そのことが、11月2日の死者の日を中心とする前半を補って、11月全体を死者の月として過ごすことに役立っているように思えます。
秋も深まり、冬の到来をそこはかとなく感じながら過ごすこの11月が死者の月となっていることに、年齢を重ねるに従って、理屈抜きで共感を覚えるようになっています。
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