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本当は8月全体を平和月間にしたいくらいです
2025年07月26日
山本量太郎 (カトリック成城教会主任司祭)
新教皇レオ14世の第一声は、「平和が皆さんとともに」 でした。私たちも毎日、ミサごとに、「世界に平和をお与えください」 と祈っています。特に日本のカトリック教会は、8月6日の広島原爆投下の日から15日の終戦の日までの十日間を平和旬間と定め、最も密度濃く平和のために祈り、行動するよう心がけています。でも本当は、8月全体を平和月間にしたいくらいです。
8月15日以降も続いた戦争
終戦の詔書が公表された8月15日が終戦の日とされていますが、1945年8月15日で戦争が全部終わったわけではありません。確かに、アメリカを中心とする連合国軍の本土への攻撃はやみましたが、北方の千島列島や大陸の旧満州地域では、ソ連軍との激しい戦いが9月まで続き、多くの人が犠牲になったのです。
ですから、私たちは、9月2日に東京湾内での米軍ミズーリ号艦上で行われた降伏文書調印式をもって第二次世界大戦が公式に終結したことをもっと意識しなければならないでしょう。その文書にはソ連(ロシア)も調印しているからでもあります(そのソ連が調印後も攻撃をやめなかったことはゆるされないことです)。また、アジア各地に残る日本軍の多くが降伏したのも9月2日以降ですし、沖縄でのゲリラ戦が終わったのも9月7日だとされています。
日本以外の多くの国が、第二次世界大戦の終了した日を9月2日としていることも踏まえ、私たちが平和を特に意識する期間を、平和旬間の十日間だけでなく、もっと広げて、6月23日の沖縄慰霊の日から9月2日の降伏文書調印式の日までにできたらと思います。
さて、世界は今、第三次世界大戦へと発展しかねない危険な状態が続いていると言えるでしょう。ロシア・ウクライナの戦争はなかなか終わりそうもありませんし、とても心配なのは、日本も含まれる東アジアに、実に幾つもの大きな火種があることです。一つ間違えれば、戦争になってしまうかもしれません。
「善をもって悪に勝て」
でも、私たちは、戦争のような暴力を平和の確立への手段として肯定することは決してできません。目的に到達するためであれば、どんな手段を使ってもよいという誘惑に陥ってしまわないように、祈り続けましょう。
手段を正当化するという誘惑こそ、もっとも危険な誘惑の一つです。それで私たちは、「善をもって悪に勝て」 というパウロの言葉に信頼をおき、「私たちを誘惑に陥らせないでください」 と毎日祈ります。この祈り、すなわち主の祈りこそ、平和のための祈りの土台です。主の祈りには、善だけを行う生涯を生き抜かれたキリストの思いが込められているからです。
8月全体が平和への思いを新たにする一か月となりますように。
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