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聖心(みこころ)の月・小考

2025年05月24日

山本量太郎 (カトリック成城教会主任司祭)

5月の「聖母月」が過ぎ、6月に入りました。

6月は「聖心(みこころ)の月」と言われていますが、その歴史はそれほど長いものではありませんし、6月を聖心の月と定めたカトリック教会の公式な文書も、教皇の公式な発言も、私が調べた限りですが、残っていません。

とにかく、キリストの聖体の祭日の次週の金曜日がイエスの聖心の祭日(今年は6月27日)と定められたのは19世紀(1856年)になってからのことですし、また、6月をイエスの聖心の月とする慣行も、その聖心の祭日が必ず6月になることから始まったものですから、それ以降に生まれたものでしょう。

初金曜日の信心

といっても、イエスの聖心への信心自体は中世に始まり、17世紀には、聖マルガリタ・マリア・アラコクらによって、フランスで盛んになっています。そして、19世紀にはイエスの聖心の祭日が制定され、聖心の信心との関係で初金ミサも盛んに行われるようになって、全世界のカトリック教会に広まり、当然の結果のようにして、6月全体が「聖心の月」になりました。

毎月行っている初金(初金曜日)のミサは、いわば小さなイエスの聖心の祭日のミサとも言えるでしょう(その日が年間の週日であれば、聖心の祭日の祈願文や叙唱を用いることができます)。聖心の信心は、主イエスの十字架上の奉献と心を一つにして、キリストのからだ(神秘体)である全教会のために祈りと犠牲をささげることを大切にするものです。

聖心のシンボル

さて、イエスの聖心のシンボルは、心臓です。そのような御絵を見たことが、きっとおありになるでしょう。それは、元のラテン語で「心」と「心臓」とが同じ単語だからだと思われます。英語でも「心」と「心臓」は同じ「ハート」です。

しかし、日本語でハートと聞いて真っ先に心臓を思い浮かべる人は多くないと思います。「愛情」やトランプの「ハート」を思い浮かべる人がいるかもしれません。なぜなら、私たち日本人は、「心」と「心臓」と「ハート」を別々の単語として使い分けているからです。それで、イエスの聖心のシンボルとして心臓の絵が描かれていることがピンと来ないばかりか、違和感さえ覚える人がいても不思議ではありません。

イエスの聖心には、たとえ心臓のシンボルがなくても、人となった神の子イエスの愛に思いを馳せることができると、個人的には私も思っています。

十字架上で全うされた愛

私たちは、主が御父の御旨を生き抜くために十字架の上で血を流されたことを忘れることができません。教会の公の季節が復活節から年間へと移行していく6月の時期と並行して、神の限りない救いの聖心を思う「聖心の信心」は、これからも大切にされていくでしょう。

 

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