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忍びて春を待て

2022年03月05日

山本量太郎 (カトリック成城教会主任司祭)

成城教会の庭は思いの外、樹木に恵まれていて、四季の変化を味わうことができます。杖に支えられて頑張っているかのような紅梅の老木が、今年もいち早く春の訪れを告げてくれました。その健気に咲いている梅の花を眺めながら、「忍びて春を待て、雪は溶けて花は咲かん」と、賛美歌の一節を思わず口ずさんだことでした。 

構内入り口への目印になっている河津桜も、まもなく花開くことでしょう。その次には、聖堂の脇に所狭しとばかりに枝を延ばし、存在感を誇っているソメイヨシノも…。待ち遠しい春は、もうそこまで来ています。 

しかし、今の私たちには、その春の訪れ以上に切実に待っているものがあります。新型コロナウイルス感染症の収束です。いわゆるコロナ禍の状態に入ってからもう二年半近くたちました。百年前のスペイン風邪の世界的大流行が三年たたずに収束したように、今回のコロナ禍もそろそろ終わってほしい、そう願わない日はありません。 

コロナ禍が去って普通の日々が戻ってきたら、あれもできる、これもしたいと次々に浮かんできますが、現実に戻ってみれば、あれもできない、これも無理だということばかりが気になります。教会でもそうです。もう二年以上、聖歌を全員で歌っていません。それどころか、今はミサ中に声を出すのが司祭、先唱者、朗読者だけで、それ以外の人は沈黙です。そのようなミサが続くなどと誰が想像したでしょうか。 

こうして私たちは今、種々の感染対策をしながら懸命にミサを続けています。ふと、神学校の授業で習った、古代ローマ帝国の迫害が厳しかったころのカタコンべ(地下の墓)のミサの話を思いだしました。信者たちは命の危険をおかして集まり、ひそひそ声でミサをしていたそうです。そして長い迫害時代が終わり、そういう心配をしなくてもよくなってミサをおおっぴらにできるようになったとき、信者たちの唱和する「アーメン」の声が、聖堂中に響きわたっていたそうです。 

ローマの迫害にも終わりがきたように、コロナ禍にも収束の日が必ずきます。皆でアーメンと力強く唱えられる日が必ずきます。皆で聖歌を歌える日も必ずきます。ミサ後に構内で心置きなく立ち話ができる日も必ずきます。ですから、必ずやって来る春を待つように、必ずやって来るコロナ禍収束の日を待ち望みたいと思います。 

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