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ロザリオの月の起こり

2019年09月27日

山本量太郎 (カトリック成城教会主任司祭)

ロザリオの月はなぜ10月なのかと聞かれたら、正直なところ、ちょっぴり困ります。なぜなら、戦争に勝った記念日がその起こりだからです。ロザリオの祈りを一生懸命したら、戦争に勝てたので、そのお祝い日ができました。もう400年以上も前のことです。1581年10月7日、地中海で、カトリックの国の連合艦隊がイスラム教の国オスマン・トルコの艦隊に大勝しました。ギリシャのレパント沖だったので、「レパントの海戦」と言われ、日本の世界史の教科書にも載っている超有名な出来事です。

時のローマ教皇ピオ5世は、この勝利をロザリオで一生懸命祈った結果与えられたものと感謝して、10月7日を「勝利のおとめ聖マリアの祝日」と定めました。まさに「戦勝記念日」です。そして、時は流れて、19世紀末には10月全体が「ロザリオの月」となり、今日に至っています。

第二バチカン公会議後、10月7日の祝日の名称から「勝利」の文字が消えて「ロザリオの聖母の記念日」となりました。当然です。すべての人の母である聖母マリアが、兄弟げんかをする子どもたちのどちらか一方に肩入れするというようなことがあるわけありませんから。

そもそも、ロザリオの祈りは、戦争に勝つために出来たお祈りではありません。ずっと前から祈られていたのです。確かにロザリオの聖母の記念日は、レパントの海戦の戦勝記念日の意味合いが色濃くありましたが、その祝日が定められたことによって、そのおかげでロザリオの祈りはずっと多くの人に広まり、そして、深まっていったことも事実です。

フランシスコ教皇が昨年、ロザリオの月を迎えるにあたって呼びかけた内容を見ると、ロザリオの祈りの精神がよく分かります。それは、自分を正しい者として、神を自分の側に引きずりこもうとするような祈りではまったくありません。「教会がその罪と過ち、現在と過去に犯した虐待をより深く意識し、悪がはびこらないように、ためらうことなく戦う決意を固められますように」と、教皇は呼びかけているのです。わたしたちの日々の祈りが、自分の側に神を引きずり込もうとするようなものではなく、神の望みを自らの願いとするようなものに深まっていきますように、ロザリオの月の始まりにあたり、自らの祈りを振り返りたいと思います。

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