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いつくしみふかき友なるイエスは

2018年06月01日

山本 量太郎 (カトリック成城教会 主任司祭)

いちばん多くの日本人が知っているキリスト教の讃美歌は間違いなく「いつくしみふかき」でしょう。いつのまにかカトリック教会のお葬式でも、信者でない方の参列が多いという理由からか、必ずといっていいほど歌われる聖歌の一つとなっています。そして、お葬式の歌という印象まで与えてしまっているようです。しかしながら、この聖歌はお葬式のためだけのものではありません。すばらしい歌詞と旋律とを兼ね備えているのですから、もっといろいろな機会に歌いたいものだとも思っています。

それでは、そもそも、この讃美歌はいつごろ、どのようにしてできたのでしょうか。ジョゼフ・スクライヴェンが1855年に詩を書き、チャールズ・コンヴァースが1868年に曲を付けたとありますから、今から150年ほど前にできた讃美歌です。元は英語ですが、スクライヴェンはアイルランド人、若き日に婚約者を病気で失った悲しみから立ち直るためか、カナダに移住して生涯を過ごした人物です。彼はそのカナダでも再び婚約者を事故で失うという不幸に見舞われましたが、彼の信仰は決して揺らぐことはありませんでした。その彼の心情がそのまま詩に表現され、良き旋律を得て不朽の名作となったのです。その詩は最初、故国で闘病生活を送る老いた母親を励ます手紙に添えられていたとも言われています。

もちろん日本のキリスト教界でも代表的な讃美歌の一つとして広く歌われていますが、「讃美歌」には「312番」として載っており、題名はありません。ただ、「讃美歌」の「初行一覧」という、歌い出しが五十音順に並んでいる索引のようなところに、「いつくしみふかき・・・312」とあるだけです。それが後年、「カトリック聖歌集」に追加で採り入れられる時に「いつくしみふかき」という題名が添えられたのです。

なぜ、そんなことをくどくどと書いているかというと、「いつくしみふかき」という題名は、この讃美歌の内容を伝えるものにはなっておらず、日本語における歌い出しの言葉に過ぎないからです。英語でこの讃美歌を聞くと「フレンド(友)」という単語がまず耳に飛び込んできます。英語による歌い出しは、「なんというすばらしい友」、この讃美歌は「主イエスはわたしたちのすばらしい友である」ことを歌ったものなのです。日本語でも「いつくしみふかき」に続いて、「友なるイエ スは」とあることはありますが、どう聴いても「友」という単語が強調されているようには感じられません。

わたしたちはなぜイエスさまを友と呼べるのか、その根拠は、イエスさまがわたしたちを友と呼んでくださったことにあります。その根拠を示すヨハネの福音書15章が読まれた5月4日の初金ミサの時に、次の月報には、このことを書こうと思った次第です。

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