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2月のメッセージ

月報 第549号

「歌う人は倍祈ることになる」

福島 一基 (カトリック成城教会 主任司祭)

昔から教会において、「歌う人は倍祈ることになる」と教えられ、祈りの中で聖歌が大切にされてきています。もちろん歌も人によっては好き嫌い、上手下手があるとは思いますが、同じ旋律を声を合わせ歌うことで、大勢の人の心を1つにして祈ることが可能になります。

ずいぶん前に聞いた話ですが、絶望し自殺を考えていたある人は、聖堂から聞こえてくる聖歌によって癒され、生きる希望を見いだし洗礼を受けたそうです。もちろん教会で歌われる聖歌はすべて祈りです。祈りでなくてはなりません。だからこそ、そこに神聖なものを感じることができますし、癒しを感じることができるのです。素人が歌うものですが、やはり教会の聖歌はただの合唱とは比べることのできないすばらしさがあることは、皆さんも認めてくれるところでしょう。

司祭になりたての頃、毎日熱心にミサに通うおばあちゃんがいました。平日の朝のミサは10人もいません。そのほとんどがシスターですが、おばあちゃんは休んだことはなかったでしょう。それよりもわたしがこのおばあちゃんに感心したのは、どんな聖歌でも声を出して歌うことです。正直、しわがれた声で上手とは言えません。高音を出すのはとてもたいへんそうです。それでも必ず声を出して歌うのです。調子外れになりそうですが、一生懸命にシスターたちについていくように歌っていました。そこにわたしたちの祈りの本質があるように思えてなりません。

やはり聖歌は祈りでなくてはなりません。祈りはきれいなことばでなくてもよいのです。ただ何よりも心をこめて積極的に、そしてみんなと1つとなることこそ大切なのではないでしょうか。今もミサの中で聖歌を歌うとき、いつもこのおばあちゃんの声を思い出します。もうすでに帰天なさっているのですが、天国でも共に歌い、祈って下さっているはずです。だからわたしも大きな声を出そうと思っています。ただ声が大きいからというわけではないのです。皆さんと共に祈り、そして歌いたいからこそ、これからもできるかぎり大きな声を出します。なるべく努力しますが、調子を外したときはおゆるしください。

こんなわたしと共に祈り、歌って下さるのなら幸いです。でも、きっとそこから大きな恵みをいただくことができると信じています。皆さんの声が祈りとなってこの成城教会の調和を形づくっていくのです。その調和はきっと人々に癒しと励ましを与えるものになるでしょう。


月報2月号
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