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死者の祈念

2010年11月01日

福島 一基 (カトリック成城教会 主任司祭)

日本の風習ではお彼岸やお盆などで亡くなった方々を思い起こし、お墓参りをしますが、もちろん仏教から来たものです。わたしたちカトリック教会では11月を「死者の月」と定めて特別に死者を祈念しますが、実はいつものミサの中で、それもとくに中心部分となる奉献文の中の取り次ぎの祈りとして、死者を祈念しています。それは何よりもミサがキリストの死と復活を通して示された過越の神秘を祝うものであり、それによって設立された天上と地上の教会(死んだ人たちとこの世で生きているわたしたち)がミサを1つになって行っていることを示すのです。特別な意向をあげなくても、わたしたちはミサを献げる毎にすべての死者を祈念しているということになります。

また仏教のように決まり事はありませんが、亡くなった方の命日を大切にする伝統もあります。死は神様のみもとへの凱旋であり、新しいいのちに生まれる日と理解されていますので(カトリック中央協議会発行『カトリック儀式書 葬儀』緒言参照)、教会の暦の中にあるほとんどの聖人の祝日はその命日になります。とくに教会には、歴史の中で死を通して信仰を証しした、たくさんの殉教者がいますので、死んだ日、すなわち命日が大切にされるのはなおさらなのでしょう。

ですから教会においては、死は忌むものではなく、新たないのちへの門であり、復活の信仰を宣言する時です。悲しいだけの時ではありません。葬儀や死者を祈念する時には、司祭は喜びと復活を表す白の祭服を身につけます。また儀式書の中では「追悼」という言葉を使いません。もちろん遺族の方々には配慮いたしますが、その祈りは死者のためだけではなく、生きている者が救いへの希望を強め、復活の信仰を新たにするためにもあります。一つひとつの祈りを見ると、今を生きるわたしたちに大きな励ましを与えています。

教会で11月に死者を祈念することは、やはり1年の最後を人生の最期に照らし合わせてのことでしょうか。わたしたちはいつもこの死を通して救いに向かっていることを、あらためて思い起こす季節なのです。死は思いもかけない時にやって来るものですが、だからこそ神さまがあたえられる時であるということが言えます。神さまが与えてくださるものはすべて恵みです。もちろん死も神さまの恵みであると言えるでしょう。わたしたちもこの恵みの時を待ちつつ、今与えられている時を恵みのうちに過ごしていきたいものです。

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