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忘れない!④ 復興に向けて大久保 洋

2017年03月19日

東北地方の太平洋沿岸を襲った大津波の映像と福島原発事故の報道に衝撃を受けたあの日から6 年。歳月の経過とともに私たちの被災地へ寄せる思いは薄らいでいるのではないでしょうか。今回は復興に向けて町づくりをしている宮城県山元町の様子を紹介します。

山元町は宮城県南部の沿岸に位置し町内をJR 常磐線が通っています。津波災害による犠牲者は600 人を超えました。海岸から1.5 ㎞にあった幼稚園では卒園前の園児8 人と職員1 人が犠牲になりました。さらに海岸沿いの自動車学校では10 代の教習生25 人が亡くなり避難誘導のあり方を巡って遺族から訴えが提起されました。どちらも津波に対する管理者側の防災意識が低かったと報道されています。私たちもいずれ必ず起きるであろうと言われている首都圏直下型地震への備えが必要だと思います。

津波災害で町内にあった山下駅は壊滅。現在は旧駅からさらに1 ㎞内陸側に新しい山下駅が建設されました。盛り土をしてかさ上げした場所に駅舎が完成。ホームは高架上に造られています。JR 常磐線は福島原発に近い一部区間がまだ開通していません。昨年12 月、私は運転が再開された原ノ町駅から仙台駅まで乗車しました。乗客の高校生たちの明るい表情を見ていると日常の生活を取り戻しているかのように感じホッとしました。しかしこの中にも家族や知人を失った人がいるかも知れません。複雑な気持ちになりました。車窓から眺める海は何もなかったかのように静かで穏やかでした。6年前、私はがれきの山を縫ってこの辺りの道なき道を車で走っていました。今は道路が整備され電車が通り防潮堤もできています。大型ダンプカーの行き交う姿に復興の歩みを感じます。新しい山下駅周辺にはスーパーマーケットや小学校、こどもセンターなどが建設され新しい復興住宅街ができました。希望を持って復興に向け前進している山元町の住民には明るさが感じられます。

地元の行政区の副区長・K さんは私たちボランティアをいつも快く受け入れ被災者とつなげてくれます。そのおかげで私は多くの方と知り合いになり、ボランティア同士のつながりも深まりました。被災地案内のときは学生たちに震災や防災の話を熱く語ってくれます。K さんは震災の日、自力で逃げられないお年寄りの自宅を見て回り「避難済み」の合図として玄関のドアノブにタオルを掲げてから避難したとのこと。日頃考えていた防災のアイデアが活かされました。またシルバーの仲間たち7 人で「じいセブン」を結成。お茶を飲み世間話をしながら町おこしの活動を行っています。今年も3 月11 日の夕方に6 回目となる「追悼の祈り」を企画実施。県外からのボランティアも参加し地元住民と一緒になって祈りや歌をうたい犠牲者を悼みます。宗教・宗派を超えた祈りがここでささげられます。毎年この日の夕方になると天気が荒れ模様。小雪が舞ったり強風が吹いたり厳しい寒さになります。
「天にいる人たちがまだ鎮まっていないのかなあ…」と、K さんは今年も天候を気にかけています。追悼の夜のテーマは「あなたを あの時を わすれない」。

私たちも被災地に思いを馳せ、被災者のために祈りましょう。

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