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死者の月に思う

2016年11月01日

山本 量太郎 (カトリック成城教会 主任司祭)

 カトリック教会の1 年は、イエス・キリストと共に歩む1 年にふさわしく、その誕生を祝うクリスマスがある12 月から始まっています。それで、11 月は最後の月とい
うことになり、おのずと種々の最後に思いをはせるようになりましたが、一人ひとりにとってもっとも身近で切実な最後は、いうまでもなく「死」です。こうして、11月は死を思う月、ひいては死者のために祈る月となりました。

 初めてカトリックに触れる方に、私は死者の月をこのように説明しています。分かりやすさだけをねらっていますから、厳密とは言えないかもしれません。たとえば、
教会暦の1年は12月1日から始まるのではなく、クリスマスの4 つ前の日曜日から始まります(今年は11月27日)。そもそも、キリスト教は、月という周期よりも週という周期を基本としているのです。しかし、そこを正確にしようとすると、待降節という言葉を使いたくなってしまいます。そういう専門用語は、最初の段階では避けるべきでしょう。

 実は、死者の月の起源を調べていきますと、意外なことにその手がかりがなかなか見つかりません。カトリック用語を網羅していると思われる新カトリック大辞典には、「死者の月」という項目自体がないのです。カトリック中央協議会のホームページにも、「11月が死者の月として定着してきたのがいつからなのか定かではない」と記されています。要するに、11月2日が死者の日だから11月全体が死者の月になったのであろうということしか言えないのです。

 それにひきかえ、死者の日の起こりははっきりしています。11月1日の諸聖人の祭日がまずあり、その翌日が死者の日と定められ、既に11世紀には全教会に広まって
いました。

 実際のところ、毎日のミサの聖書朗読が最後のことを強く意識させるようになるのは、11月の後半になってからです。しかし、そのことが11 月2 日の死者の日を中心
とする前半を補って、11月全体を死者の月として過ごすことに役立っているように感じます。秋も深まり、間近に迫った冬の到来を肌で感じながら迎える11月が死者の月となっていることに、理屈抜きで深い共感を覚えています。

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