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3月のメッセージ

月報 第596号

「主はあなたとともにいる」

古郡 忠夫 (カトリック成城教会 助任司祭)

成城教会で昨年の4 月から司牧実習をしていた蓑島神学生が任期を終えた。蓑島神学生は「みのさん」というあだ名で、教会学校の子どもたちからも親しまれていた。みのさんは40 歳を越えた神学生で、先頭に立って子どもたちを引っ張っていくということはなかったけれど、どっしりと子どもたちに寄り添い続けてくれていた。みのさんはこれから少なくとも福岡で3 年間、東京で1 年間の養成を受け、その後に札幌教区の司祭として叙階されることになる。新しい環境での生活に戸惑うことも数多くあるだろうし、今現在、不安な気持ちもあるだろう。

先日、教皇庁から、エリザベト・マリア北原怜子さんが尊者として宣言された。蟻の町のマリアとして知られるエリザベト北原怜子さんの英雄的徳が認められ、列聖、列福に向けて、まずは尊者として宣言されたのだ。北原さんは、神様の恵みの中で、神様の愛の霊である聖霊の働きの中で、くず拾いの町「蟻の町」に生きた。そしてその中で、敗戦の後の貧しく生きる事を余儀なくされた人とともに歩み、28 歳という短い生涯を神様に捧げたのだった。大学の教授の娘として、同級生と比べても不自由なく暮らして来た北原さんが、浅草に引っ越し、蟻の町と出会うところから始まって、子どもたちと関わり生きていく。そこに神様の働きがないわけがない。北原さんの伝記を読むと途中で病気になって、そんな自分を恨んだり、そして、北原さんの代わりに子どもたちのお世話をすることになった女の人を見て、羨ましいと思ったのだと書かれていた。そういう僕たちと変わらない人、だけど神様の愛の霊の働きによって、神様に委ね、貧しくされている人とともに生きる事を選び取った、そういう人が北原さんなのだ。

57 年前に28 歳で神様のところに戻って行った北原さん。この文章をいま手に取っておられる方の中には、生きておられるときの北原さんを知っている、会った事があるという方もおられるだろう。日本にも、現代にも、きちんと聖霊が働いているのだ、そのことを教皇庁の宣言ははっきりと教えてくれている。

僕たちは信じたい。人々を不安の世界に閉じ込める悪霊の働きよりも、遥かに力のある神様の働きがあるのだということを。わたしたちを放ってはおけない神様が、いつもわたしたちのうちに働いておられる。僕は、4 年後の司祭叙階を楽しみにしている。そのときに、神の霊がいつもわたしたちとともにいるというその神秘が、またわたしの中で深まっていく。


月報3月号
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