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5月のメッセージ

月報 第564号

「解放」

福島 一基 (カトリック成城教会主任司祭)

寒さに続き花粉から身を守るために閉めっぱなしにしていた窓を、ようやく開放できる季節になりました。心地よい風と新鮮な空気は、よどんでいた部屋を爽やかにしてくれます。聖週間を終えた今、何ともいえない解放感に浸っているところです。


ふと神学生時代の試験、特に口頭審問形式の試験が終わったときのことを思い出します。試験官が問題をその場で出し、それに即座に答えるという形式の伝統的な試験です。合格するためには何よりも準備が必要です。一発勝負ですから、その場で合否がわかります。そういう意味では筆記試験やレポートよりもすっきりしているのですが、やはり試験を受けるときの緊張感はダントツです。そのような中からの解放は、何か新しい世界に包み込まれたような気分になるのです。ただの怠け者で勉強嫌いな性格がそう感じさせているだけなのかもしれませんが。


聖書の中でも解放は救いのイメージと結びつきます。旧約のイスラエルの民が経験したエジプトの奴隷状態からの解放、またバビロン捕囚からの解放などがあげられるでしょう。エジプト脱出の物語は復活徹夜祭の朗読で必ず読まれる箇所でもあります。バビロン捕囚からの解放は、歴代誌の最後と、続くエズラ記、ネヘミヤ記に語られていますが、何よりも旧約聖書は、この出来事を神の救いの業として語り伝えています。イスラエルの民の最大の祭り、過越祭はそれを記念するものなのです。


そして、教会が最も大切にしているイエスさまの十字架の死と復活は、私たち人間を罪と死から解放した出来事として信じられています。もちろんイエスさまのすべての生涯とその出来事は、人間を罪から解放したことを示しています。そしてその言葉は常に私たちを悪の恐れや誘惑から解放してくれます。


しかし、ふと周りを見渡してみますと、自分が様々なことに捕われ、思い悩み、悪の誘惑にさらされていることに気づきます。確かにこの世で生活している限り、日々の生活、仕事や勉強、家族や社会との関わり、そして健康やお金のことなど、どうでもいいことではありません。もちろんイエスさまがもたらしてくださった解放とは、それらをどうでもよくすることではありません。それらのことに捕われて生きるのではなく、恵みとして積極的に受け取る生き方なのです。それこそが解放され救いに向かうキリスト者の姿勢でしょう。新緑のまぶしい季節、何事にも積極的に取りかかってみてはいかがでしょう。特に教会の掃除とか、献金とか。


月報5月号
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