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7月のメッセージ

月報 第589号

「ジュリア祭」

福島 一基 (カトリック成城教会 主任司祭)

先日「ジュリア祭」に参加してまいりました。知らない方のために少し紹介します。

おたあジュリアは、豊臣秀吉の時代、朝鮮半島に出征したキリシタン大名小西行長に引き取られ来日し、育てられました。また関ヶ原の戦い以降は徳川家康の侍女として仕えました。しかし後にキリシタン禁教令が出され、彼女も棄教を迫られますが、拒否したことによって伊豆諸島に流刑となります。諸説ある中、最後は神津島にて生涯を終えたということです。彼女の信仰を基とする生き方は、周りの人に影響を与えたようです。それは、神津島に彼女の供養塔が奉られ、島民から大切にされていたことからもうかがい知ることができます。

ジュリア祭は、このおたあジュリアがキリスト者として、ミサにあずかることを切望していたという願いを実現するために始められたと聞いています。神津島にカトリック信者はおりませんが、このジュリア祭の中心はミサです。1970年から始められ、今年で 45回目を迎えましたが、島にはカトリックの教会どころか信者もいません。しかし当日は、神津島村の職員総出で歓迎してくださいました。もちろん産業の少ない当地の事情もあるとは思いますが、それでもこの祭りを、そしてミサを、みんなが大切にしている雰囲気は感じました。

わたしは今回初めての参加ですが、子どもの頃よりこのジュリア祭を知ってはいました。わたしに洗礼を授けてくれた下山正義神父様(当時本所教会主任司祭)が、このジュリア祭開催のために尽力したと聞いておりますが、その影響もあると思います。また本所教会は日本二十六聖人殉教者を保護の聖人としている教会でもあったので、当時のキリシタンや殉教者の話は神父様や両親から聞かされていました。

この時代のキリスト者はなぜそんなにも苦労しながら信仰を守り通したのか不思議でした。混乱した時代に振り回されながらも、明日への希望をキリストの福音の中に見いだしたのかもしれません。また不条理な世の中にあっても、信仰に生きることこそ生きる勇気を与えるものであることを確信していたのかもしれません。それはほとんどの殉教者が最後まで絶望することなく、愛を行っていた事実からうかがうことができます。

残念ながら現在も決して世の中の混乱や不条理さが取り除かれたわけではありません。しかし、おたあジュリアをはじめ当時のキリスト者たちの生き方は、明日への希望と生きる勇気をわたしたちに教えているように思えます。



月報7月号
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