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3月のメッセージ

月報 第585号

「繰り返し」

福島 一基 (カトリック成城教会 主任司祭)

春が来るとわたしが成城教会に赴任して6年が経ちます。ミサの説教でもそうです が、最近話すネタは以前にも話したネタになってしまうようなことが多々あります。話の途中、「それは前に聞いたことがある」と言われますと、少し焦ってしまいますが、この巻頭言ではなるべく重複しないように気をつけたいものです。しかし繰り返すことも決して悪くはありません。「継続は力なり」という諺(ことわざ)もあるように、一つのことを継続してやり遂げることは大変でもありますが、何度も繰り返すことによって身につけ、自分自身のものにできるのです。わたしの話も落語みたいに、何度も繰り返せば深みを増していくことができるのでしょうか。


それでも何度も同じことを話されますと、聞く方も面倒くさくなりますし、イライラすることもあります。それでも同じ話を何度も聞かされることで変わることもできます。病床訪問に行くあるおばあさんはいつも同じ話になります。本当にびっくりするくらい同じ話です。それでもがっかりさせないため、いつも初めて聞くかのようにしていました。そのうち話を聞いていなくても絶妙なタイミングでうなずけるようになりました。半分居眠りしながら聞いていてもそうなのです。きっと今でもおばあさんは同じ話を続けるでしょうが、わたしは笑顔でその話を聞くふりをすることができるでしょう。1時間もすると話も終わり、おばあさんはすっきりした笑顔でわたしを帰してくれます。わたしも一仕事終えた充実感で、外に出て吸うたばこがおいしいでしょう。


ある同僚から聞いた話です。有名なある神父様と同居していたときのこと、全国から相談の電話がひっきりなしにかかってくるというのです。あるときあまりにも長い電話だったので、その神父様の部屋をのぞいてみると、神父様は受話器を持ったまま居眠りをしていたというのです。それでも相談のために電話した人は神父様には感謝していたということです。人々の相談に耳を傾け続けた神父様の人徳なのだと思います。


神様も、わたしたちの祈り、悩み、嘆きを人類史が始まったときから聞き続けてくださっています。もちろん聞くふりや居眠りなどせず、すべてを受け入れてくださっていることでしょう。だからこそわたしも神様が愛であること、救いをもたらしてくださることを、何度も繰り返し伝えなければなりません。もちろん話し方や伝え方に関して日々の努力を惜しんではならないのですが。



月報3月号
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