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6月のメッセージ

月報 第576号

「お墓からの景色」

福島 一基 (カトリック成城教会 主任司祭)

ここのところ埋葬式・納骨式に引っ張りだこの状態です。忙しいとはいえ、お墓に行くのは嫌いではありません。薄気味悪いと思われがちですが、わたしはお墓を怖いと思ったことはあまりありません。子どもの頃から怖い話と言えば決まってお墓が出てくるものです。肝っ玉の小さなわたしは怖い話はめっぽう弱いのですが、実際のお墓を怖いと思ったことがなかったのは、幼い頃埋葬に立ち会った記憶がないからなのでしょうか。


両親の郷里は地方ですので、お墓参りはお盆休みの時くらいです。しかし実際に埋葬されているご先祖様、もちろんわたしにとっての祖父・祖母にあたる方々はわたしが生まれる以前、もしくは生まれて間もない頃に亡くなっていますので、実際に会ったことがありません。一人だけ祖父が生きていましたが、長寿に恵まれ、わたしが司祭になってから亡くなりましたので、子どもの頃に親族が死ぬ悲しみに遭遇したことがありませんでした。それがお墓を怖がらない理由なのかもしれません。悲しい思い出が人間の心に恐怖を芽生えさせるのでしょう。


逆にわたしにとってのお墓は、夏休みのお楽しみの一つでしたし、またわたしの家族がとてもお世話になった修道女のお墓参り、成城教会の共同墓所のあるカトリック府中墓地の訪問は、さながらピクニックのようでした。府中墓地には必ずその前に練馬の神学院祭に行き、そのついでに行くのです。確かお墓の前でシートを敷き、お弁当を家族で食べた思い出もあります。お金のかかる遊園地や観光地に行くことに比べて、子どもを楽しませるには安上がりです。楽しい思い出は親しみを与えるのでしょうか。埋葬式や納骨式、そしてお墓参りが嫌いではないのは、今のわたしにとっては大きな恵みです。


実は連休に、青年たちとカトリック五日市墓地の前にあるあきる野教会で合宿をしました。メインイベントは夜のお墓参り。主任神父様の許可を取って行いましたが、普段、夜間は立ち入り禁止です。はじめは青年たちも怖がっていましたが、頂上付近まで来るとその夜景の美しさに魅了されました。時間も忘れ、小一時間くらいおしゃべりしてしまいました。中にはお酒でも持ってきてここで宴会をやってみたいと言い出すほどです。不届き者と怒られそうですが、どんなに騒いでも近隣には届きません。そもそも神様のもとにいる方々は、寄り付かれないよりは嬉しいのではないかと思います。


いい季節です。散歩がてらにお墓参りもいかがでしょうか。


月報6月号
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