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4月のメッセージ

月報 第539号

「復活」

福島 一基 (カトリック成城教会 主任司祭)

 主のご復活おめでとうございます。この喜びと希望が全世界に満ちあふれることを心より願います。特に思い通りに事が運ばずに苦しんでいる人、絶望している人に、この喜びの知らせが届きますように。キリストが復活してくださったのは何よりもまずこのような人々のためなのです。


 絶望している人から受ける相談は決まって、「どのようにしたらうまく事が運ぶでしょうか」というものです。わたしは占い師ではありませんので、未来のことを言い当てる能力はありません。正直に「分かりません」と答えますが、相手はさらに絶望を深めてしまうようです。もちろん教会に来て絶望して帰しては申し訳ないと思いますので、少し今までのお話を聞かせていただきます。その内容も結構決まっていて、絶望するまではうまく事が運んでいたというものです。


 ルカ福音書にある「金持ちとラザロ」のたとえ話(16・19-31)を思い出します。贅沢三昧で暮らしていた金持ちと、極貧に耐え忍びながら生きていたラザロ。死んだ後全く立場が逆転し、金持ちは地獄に、ラザロは天国に行くというものです。子どもの頃この話を聞いて、何とも言えない気持ちになりました。貧乏にはなりたくないのですが、お金持ちになって地獄に落とされるのはもっと困ります。先ほどの絶望している人の話から考えると、この話は、うまく事が運べばいいという理論で生きていると、あとで地獄を見ることを教えているのでしょうか。


 イエスさまがわたしたちにもたらしてくれたのは福音です。喜びの知らせです。ですからこの話は、うまく事が運ばなくても、神様は必ず報いてくださる、という教えのはずです。でしたら絶望している人は何をしなくても、またうまく事を運ばなくても、そのままでいいのです。ただこの話を聞いて希望が心にわき上がってくれば、それでいいのです。イエスさまはこの話が真実であることを示してくださり、十字架にかかって絶望を体験し、そして復活して確かなものにしてくださったのです。


 わたしも最近なぜかうまく事が運びません。でもけっして絶望しているわけではございません。ただ復活したキリストが弟子たちに自分の十字架の傷跡を見せ、「あなたがたに平和があるように」と呼びかけられた言葉を思い出しています。この傷こそ、わたしたちに平和をもたらした恵みなのです。苦しみこそ復活への道なのでしょう。わたしの苦しみも、絶望している誰かに平和をもたらすものとなりますように。


月報4月号
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